後藤副代表の訪米報告
後藤副代表の、8月17日からの訪米活動報告がまとまりましたので、お知らせします。
日本で最初の棄教目的の拉致監禁事件が起こったのが1966年、今から43年前です。
それ以来、白昼堂々と襲撃されたうえ、その信仰を棄てるまで監禁するという、私自身も体験した強制棄教は、残念ながらいまだに後を絶ちません。
悪徳カルトによりマインドコントロールされている信者の救済=善という公式の下、これに携わる人々を巨悪と戦う義人と見なし、その目的のためなら多少の手荒な手段はやむなし、という暗黙の合意のもと拉致監禁という犯罪行為を「保護による親子の話し合い」と牽強付会し「見て見ぬふり」をしているのが、今の民主国家日本の異常な現状です。
このたび、アメリカに赴くことになったのは、日本では現実、解決困難になっているこの問題を信教の自由と個を重んじる、人権意識の高い尊敬するアメリカの有識者に訴え、拉致監禁に歯止めをかけるためでありました。
著名な人権団体の代表者、キリスト教牧師のリーダー、政府関係者、弁護士、等々の皆様に私の体験を交えて日本の長年にわたる拉致監禁の実態をお話しさせてもらう機会を頂きました。実際、訪米は、初めてということもあり、どれほどこの問題に理解を頂けるのか未知数でありました。
すると、皆様、おしなべて深い同情を示してくださいました。中には、涙を流される方もいらっしゃいました。そして、自由と民主の国であるはずの現代日本において、アメリカでは必然壊滅した拉致監禁という犯罪が、いまだ野放しにされていることに等しく驚きと憤りを示され、どの方も同じ人間として座視できぬ旨を表明されました。
アメリカでも、70~80年代に、ディプログラミングと言われる拉致監禁による強制改宗事件が多発しました。しかし、現代民主国家の当然の要請である、信教の自由と人権擁護という立場から強制改宗に対して、最初に異議を唱えたのが、意外にも、それまで統一教会を異端視していたキリスト教会でした。たとえ異端であったとしても、信教の自由と、基本的人権は、当然、守られねばならない、というのが、本場アメリカの崇高なキリスト教精神でありました。
しかるに、日本ではそのキリスト教会(一部)が、率先して中世の魔女狩りよろしく、強制改宗という人権蹂躙を行っています。
今回、ワシントンでお会いした、元下院議員で、キリスト教牧師のフォントロイ博士は、この日本の異常ともいえる一部キリスト教会の蛮行に対し、「日本で同じキリスト教牧師がこのようなこと(拉致監禁)をしているということは本当に恥ずべきことだ!」と、強い憤りを示されました。
私の両親から依頼を受け、監禁下で脱会説得を主導し、現在、私の告訴を受け東京地検に送検中である新津福音キリスト教会の松永堡智牧師。起訴、有罪を熱望していますが、同じキリスト教の牧師として、このフォントロイ博士の嘆きをどう受け止めるのか。聞いてみたいものであります。
ACLL(米国聖職者指導者会議)のリーダーの皆様と会合した際には大司教ジョージ・スターリング師が、マイケル・ジェンキンス師(ACLC議長)、ウォルター・フォントロイ博士、そして、彼自身によって署名された声明文を力強く読み上げました。
以下は、その一部です。
「信仰の指導者として、私たちは、昨年の脱出直後に撮影された後藤さんの写真を見て衝撃を受けました。ホロコーストの強制収容所の生存者らと酷似していたからです。近代民主主義社会の日本で、この極めて悪質な侵害がいまだに現行法により起訴されていないと聞き、さらに衝撃を受けました。私たちは、当事件とその犯罪者が裁かれ、日本がしかるべきグローバル・リーダーとしての姿を示すために、当事件とその犯罪者が裁きを受けるよう日本政府、メディア、また全ての法執行機関に対し訴えるしだいです。この問題の解決と支持のために、ACLCに所属している2万名の聖職者は今後、アメリカおよび国連においてその活動を徹底してまいります。」
今回の訪米で、予想外だったのは、日本で被害を受け、アメリカに渡った拉致監禁の体験者が、少なからずいらっしゃる、ということです。その中には、いまだに心の傷を抱えた方もおられました。
私が講演したある教会には、3回ディプログラミングを受けたアメリカ人の女性がいました。その方は、私が話している時から、苦しげな表情をしておりました。そして、最後まで話を聞くことができず、部屋を出て行ってしまいました。話が終わってしばらくした後、部屋に戻ってきた彼女の目は赤くはれ、泣きはらした跡が見て取れました。私の話を聞いてフラッシュバックを惹き起こしたのです。
彼女がディプログラミングの被害にあったのは、少なくとも20年以上前と思われます。心に深く食い込んだその傷痕は、いまだ彼女を苦しめているのです。拉致監禁という凶行の酷さを改めて思い知らされました。
今回の訪米で出会った多くの方々に、深い同情と励ましと協力の意向を頂きました。そして、この問題の理解者と支援者になっていただきました。今回、出会ったすべての皆様に感謝の意を表します。日本の拉致監禁問題の解決にあたり一歩前進の手ごたえをズッシリと感じた訪米でした。
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