有田芳生の『酔醒漫録』10月26日掲載内容について
有田芳生氏のブログ『酔醒漫録』のサイトに当会の活動についての記述がありました、コメント欄に投稿したものの掲載されなかったので、記述に対するコメントと共にお知らせします。
該当記事 有田芳生氏の『酔醒漫録』10月26日掲載文
http://saeaki.blog.ocn.ne.jp/arita/2008/10/index.html
日記にある「荻窪で水面下で陰謀的に進んでいる『ある事件』でも暗躍している」とは、何のことか。有田氏のブログファンの多くは首を傾げられたことと思います。
「ある事件」とは、実に12年間の長きにわたって監禁されていた統一教会員である後藤徹さんが、監禁に関わっていたプロの脱会屋である宮村峻などを荻窪警察署に逮捕監禁致傷罪、強要未遂罪で刑事告訴した事件のことです。告訴したのは今年の4月のこと。水面下で陰謀的に進んでいる事件でもなんでもなく、法的手続きに基づいて行なわれた水面上の告訴事件です。
F弁護士が「暗躍している」とか「荻窪署などに圧力をかけている」(10月25日付)と書いていますが、F弁護士は後藤徹さんの告訴代理人です。告訴状を荻窪警察署に提出し、厳正、適正に捜査を行なって欲しいと要望したことが、有田さんにかかれば「暗躍」「圧力」という表現になってしまうのです。
なお、事件の概要は「拉致監禁をなくす会」のサイト、また長年“カルト”批判の記事を書いてきた米本和広氏の『我らの不快な隣人』(情報センター出版局、精神科医の斉藤環氏、宗教評論家の芹沢俊介氏が推薦)で紹介されています。
有田氏は「北朝鮮の拉致」に反対の立場を取っています。それなのに、どうして統一教会員の「拉致監禁」事件には目をつぶり、12年間も監禁されていた教会員が訴えた告訴事件を「陰謀的に進んでいるある事件」と意味深な表現するのか理解に苦しみます。
考えられる理由は2つあります。
有田氏が今日の名声を築いた出発点は、『週刊文春』で統一教会批判キャンペーンの中心的ライターとして活躍したことにあります。取材ソースの大半は、拉致監禁をともなう強制説得によって脱会した元信者たちです。
では、有田氏は元信者が強制説得によって脱会したことを知らなかったのでしょうか。
小出浩久医師が著した『人さらいからの脱出』(光言社)には、監禁中に有田氏のインタビューを受けたことが生々しく書かれています。また、前出の『我らの不快な隣人』でも小出氏の体験、さらには別の信者が同じような体験をしていることが明らかにされています(294頁~、394頁~)。なお、これらの本に対して有田氏は文章の訂正要求を出していません。
ところで、有田氏が有名になったのは新体操の山崎浩子さんの一連の脱会騒動に関する記事によってです。山崎氏は自著で「“拉致監禁”された」ことを明らかにしており、また有田氏も週刊朝日の記事で、山崎浩子さんが拉致監禁によって行方不明になってからテレビで脱会宣言を行なうまでの一部始終を知っていたと自ら明かしています。
つまり、有田氏は統一教会員の脱会には「拉致監禁」が絡むことを知りながら、それには目をつぶって、統一教会批判の記事を書き続けていたわけです。
それゆえ、12年間も監禁された後藤の刑事告訴事件の真実など語りたくなく(語れば今日の名声の礎が崩壊する)、「水面下で陰謀的に進んでいるある事件」と表現するしかなかったのだと推測します。
後藤さんが刑事告訴した相手は、プロの脱会屋である宮村峻であることは前述しました。
では、有田氏と宮村はどういう関係にあるのでしょうか。
06年9月17日付ブログで、宮村を統一教会問題の「同志」と語っています。
2人の関係を図式的に言えば、宮村は自分が監禁下で説得している信者(たとえば小出氏)、強制説得によって脱会させた信者を有田氏に紹介し、有田氏はそうした人たちをインタビューして『週刊文春』で記事にしてきたということです。言ってみれば、有田氏にとって宮村は今日の名声を築くための「(ライター生命の)命の恩人」なのです。
有田氏はこの図式の関係の一端を自ら明らかにしています。08年2月2日のブログです。http://saeaki.blog.ocn.ne.jp/arita/2008/02/index.html
「(荻窪の料理店)鳥晴で宮村峻さんグループ、文藝春秋の松井清人、石井謙一郎さんと会食」
宮村が住んでいる荻窪、後藤さんを監禁したマンションがある荻窪で、関係者が勢ぞろいしたというわけです。ちなみに、グループのメンバーは明らかにされていませんが、後藤さんが監禁されていたマンションに脱会説得のために足しげく訪問した元信者たちだと思われます。
宮村との関係はそればかりではありません。有田氏は周知の通り、参議院選に新党日本から立候補しました。宮村グループはなんとその選挙活動を手伝っているのです。先のブログの続きはこうなっています。
「『宮村グループ』は、参議院選挙のとき、わずか2日間で、個人ビラ9万枚に証紙を貼ってくれたのだった。久々に深夜まで荻窪界隈」
現在の衆議院選挙でも刑事告訴されている宮村および「宮村グループ」が物心両面で支援しているのは間違いないでしょう。
このようなわけで、拉致監禁のみならず、宮村峻が刑事告訴された事件の概要を明らかにできなかったのだと思われます。(完)