拉致監禁をなくす会

親子のきずなを切り裂く保護説得（拉致監禁のこと）絶対反対─11月15日、東京・渋谷区道玄坂のフォーラム８で拉致監禁被害者の宿谷麻子さん親子をお迎えし、『宿谷さん親子の講演会』を開催しました。(講演録はこちらです｡)

統一教会関係者から、反統一教会の方まで幅広く６０人の参加を得て、保護説得がいかに親子の関係を破壊したか、またそれを防止するためにどのようなことが必要か、貴重な証言を得ました。

冒頭主催者側として小出浩久・拉致監禁をなくす会代表があいさつ。当会は一団体に依存しない市民団体であることを明言。講演会が始まる前の宿谷さん親子とのごあいさつの時点ですでに自身の癒しが始まったことを紹介し、講演会でのパネルディスカッションへの期待感を表明しました。

講演の部では事前に参加者から募った質問を当会役員が宿谷さん親子に質問。フリーランスのジャーナリストで、拉致監禁問題に精通している米本和広氏（同氏のブログ「火の粉を払え」を参照してください）が補足する形で、パネルディスカッション形式で講演が進行しました。

ディスカッションでは宿谷さんのお母さんが、最初は、統一教会の事を知らず、活動に違法性があるかどうかよりも、合同結婚式に娘が参加したことに驚いたと証言。宿谷さんが自分を無私状態にして責任者の指示に従って無理な家族奉仕をしていることに、これはおかしいと感じたと、宿谷さんの急激な変化に大変な違和感を感じたことを証言しました。宿谷さんもまた、責任者の指示に従って自分を無私にして家族に奉仕することの苦痛を訴え、突然の行動の変化が本人には苦痛をもたらし、家族には不信感をもたらしたことを明らかにしました。

また宿谷さんのお母さんが拉致監禁に至る経緯の中で、黒鳥牧師らが主宰する勉強会の様子や、拉致監禁の際の牧師の指導や関与についての詳細に説明。宿谷さんの親子関係が悪くなっても、黒鳥牧師は何の責任もとらなかったそうです。そればかりか、今利さんと裁判になった時には、自分の保身ばかりして、宿谷さんのお母さんが拉致監禁は良くないと言うと、お母さんを悪者にし、お母さんは戸塚教会の中で孤立したとのこと。黒鳥牧師の不誠実な姿が明らかになりました。

また拉致監禁終了後、宿谷さんが社会復帰し、現在の親子関係に戻るまでの１０年間の苦闘の様子が述べられ、拉致監禁が親子関係に壊滅的な衝撃を与えることが示されるとともに、統一教会に対しては、正体隠しの経済活動、正体隠しの伝道活動は絶対にやめてほしいとの訴えがなされました。

今回参加された方の中には、保護説得を真剣に考えておられたご両親もいましたが、宿谷さん親子の証言を聞いて、ご両親共に保護説得はしないし、保護説得を進めている父母の会にも参加しないと言っておられました。保護説得の名目で行われる拉致監禁に対して、今回のようなイベントが有効であることが確認されました。、当会としては今後も定例的に企画して参ります。

…………………………………………………………………
今回の集会に参加した方の感想文のうち、塩谷知子さんと宇田川竜一さんの感想文をご紹介します。

＜塩谷知子さん＞
今まで監禁後自分の気持ちをほとんど親にぶつけることはありませんでした。マイナスの感情をおしころしてきましたが、それが、自分の心のバランスをこわしていった原因だと思います。

みかけだけの、みせかけの親子をやめ、本当の親子関係を取り戻していく勇気をいただきました。お母様もどれほど苦しいお気持ちを越えられたかと思います。

ふきだす自分の気持ちにいつわらず、正直に親と向き合っていきたいと思います。

＜宇田川竜一さん＞
私も監禁こそされませんでしたが、監禁未遂の経験を持つ一人です。拉致監禁の苦しみこそ味わいませんでしたが、親子関係の修復という点では１０数年たった今でも苦しい悲しい思いを感じています。

牧師の考え方がすり込まれていて、以前の両親とは明らかに違います。統一教会にも問題はあると思いますが、このような拉致監禁を行っているような牧師がいることは絶対に許せません。

一日も早く拉致監禁という犯罪がなくなることを心から祈っています。