書籍 トラウマの心理学―心の傷と向きあう方法 (NHKライブラリー)の紹介
トラウマの心理学―心の傷と向きあう方法 (NHKライブラリー)
著者の小西聖子氏は被害者学、PTSD(心的外傷後ストレス障害)、特に犯罪被害者のトラウマ研究と援助の実践をされてきた方で、被害者のケアやPTDSの理解に役立つものとなっている。
『拉致監禁』によるPTSDである方とやりとりをしたことがあるが、心の奥深くにある傷やショックなので、なかなか理解することが難しいと感じる。
また本人もPTSDであることを気づいていないことも多く、どんなことがPTSDなのかなど、分かりづらいことが多くあるのだが、その点この本には実際のPTSDの方の例や診断基準などがあげられており、理解を助けてくれる。
大多数の拉致や監禁などの被害者(経験者)の方は自分でもPTSDと気づいていない方ばかりだと思いますが、この本を通して自分のおかれている状況の理解の一助になると思う。
特に以下の診断基準に合う方(拉致監禁被害者はほとんど該当するかと思います)や関係者には一読してみて欲しい本です。
最後にここで紹介されているトラウマをもたらすような出来事の特徴を簡単に記しておきます。
①できごとが予測不可能であること
②コントロールができないこと。自分の力では事態を操ることができないこと
③起こっているできごとが非常に残虐なものであったり、グロテスクなものであったりする。
④自分が愛している人やだいじにしている何かを失うこと
⑤特に暴力的なできごとはトラウマをもたらしやすいこと。
⑥そのできごとによって起こってくる結果に対して、実際に自分に責任があると思われたり、あるいは、主観的に責任があるとどうしてもかんじられたりすること。
トラウマの心理学―心の傷と向きあう方法 (NHKライブラリー)
とても、この本に興味を持ちました。
一時期、恐怖と不安で、眠れない時もありましたが、今は、心療内科に通いながら、安定剤を服用しながら、生活できるようになりました。
自分では、どうすることもできない、感情は凄まじいストレスになり、自責の念にかられます。
少しでも、自分の心の状態を理解できればと思っています。